銭湯
わたしは銭湯がすきです。
こどもの頃は身近になくて「銭湯?温泉のこと?」とか思っていました。
はじめて銭湯に入ったのは、確か小学4年生のときに
担任の先生のところにクラスメイトみんなで遊びに行ったときでした。
思春期の入口付近をうろうろしていたお年頃でしたので、
妙に恥ずかしながら入った良い思い出です。
次に入ったのは大学生になって京都に引っ越してからでした。
自転車に乗って、「今日はどこに行こうかなー」と思うほどそこら中にあり、
自分が思っていたほど特別なものではなかったんだなぁと思いました。
決定的に好きになったのは、大学3年生のときに富士山に登ったときです。
山頂で日の出みるプランで、日の出には相当感動しましたが、同じくらい疲れ、
下山したときにはもうぶっ倒れたいくらいでした。
そんな疲労感を抱えて銭湯のお湯につかると、まるで嘘みたいに疲れがとれて
超回復したのです。(いっしょに入った人も元気になりました)
銭湯すげぇ!ってなりました。
これがきっかけで、疲れたら銭湯に行きたい体になってしまったのです。
東京のアパートのすぐ近くにもあるとみーちゃんが教えてくれたので、
さっそく行きました。
慣れない土地にきて、すこし疲れが溜まってきていたのもありましたので、
期待に胸を膨らませ、いざ。
外観…古めかしくてとても良いです。
脱衣所…これもまた改装などされてなく、おそらく昔のままの姿…良いです!
洗い場はほどよい広さで、シャワーの形はまばらで、壁の絵はどこかぎこちなさを感じるタッチで描かれていて…ああ!実に良いですね。
お湯も温泉だそうで。茶色でお肌に良さそうな気配です。
10日ぶりの湯船に、浮かれる気持ちを周囲に悟られないように
「いつも入ってますよ」という顔をして浸かったのですが、あ、熱い!
これが…ここのお湯加減…!!と噛み締めていると、本当の常連のおばちゃんが
「そこいちばん熱いのよ」と教えてくれました。
そのおばちゃんはとてもいい人で、最近ここに来たと言うと
買い物はあそこのスーパーがいいよ、とか銭湯のお得なチケットあるよ、
とかいろいろ教えてくれました。
とてもおしゃべりなおばちゃんは脱衣所でも話しかけてくれて、
ひとしきりおしゃべりしました。
そして帰り際に、あなたみたいな若い人にパワーもらえて嬉しいわ!
と言ってくれました。(じわり)
体も心も温まり、また一段と銭湯が好きになったのでした。
次はみーちゃんと行こうと思います。
一連の会話でひと言も体重や体型の話などしていないのに、
いきなりわたしの体を褒め始めるおばちゃん。(複雑すぎる心境)